便利堂が主催するハリバンアワードは、約170 年の歴史をもつアナログ写真技術と、現代写真のアート性を繋ぐ取り組みです。「玻璃(はり)」とは古い日本語でガラスを意味し、版にガラス板を用いることから玻璃版と呼ばれていました。その名前に由来するこのアワードは、プロ、アマチュアを問わず白黒写真を用いて制作をする全ての写真家・アーティストに開かれています。写真の分野で世界的に活動する審査員による厳選な審査の後、受賞者が選出されます。最優秀賞を受賞した作家は、京都のコロタイプ工房に招聘され、熟練の職人と共に受賞作品のコロタイププリントを制作します。
2週間の京都滞在
最優秀賞受賞者の2週間の滞在制作は、2023年10月以降に行う予定です。
京都滞在中の活動内容
・工房の熟練職人と共に、受賞作のうち8イメージのコロタイププリントを制作します。
・コロタイプアカデミーのコロタイプ手刷りワークショップをとおして、コロタイプの成り立ちとその制作方法を学びます。ワークショップの最初にハガキサイズと8x10inch の版が一枚ずつプレゼントされます。
※ 2週間のレジデンスにかかる旅費、宿泊費、制作費は賞に含まれます。(詳細は受賞者と協議の上決定します。)
個展の開催について
制作した8点のコロタイププリントは、翌年春に開催する個展で発表します。
それぞれの審査員は、審査に応募された作品群の中から審査員特別賞を選出します。審査員特別賞を受賞した作家は選出した審査員から講評が贈られるほか、受賞作品(3点)と略歴が HARIBAN AWARD 2023の公式カタログに掲載されます。また、カタログ完成後に受賞者に謹呈されます。(使用は個人使用に限ります。)
さらに、HARIBAN AWARD 2023 では、10回目の開催を記念した副賞として、COLLO-FULL*1 を用いた8x10inch(1画像/10枚)、もしくはハガキサイズ(1画像/100枚)のコロタイププリントの制作の権利が送られます。
便利堂賞は、便利堂CEO鈴木巧によって選出され講評が贈られるほか、受賞作品(3点)と略歴がHARIBAN AWARD 2023の公式カタログに掲載されます。また、カタログ完成後に受賞者に謹呈されます。(使用は個人使用に限ります。)
さらに、 HARIBAN AWARD 2023 では、10回目の開催を記念した副賞として、COLLO-FULL*1 を用いた8x10inch(1画像/10枚)、もしくはハガキサイズ(1画像/100枚)のコロタイププリントの制作の権利が送られます。
最終審査に選出された上位数名に奨励賞が贈られます。受賞作品(1点)はHARIBAN AWARD 2023の公式カタログに掲載され、カタログ完成後に受賞者に謹呈されます。(使用は個人使用に限ります。)
さらに、HARIBAN AWARD 2023 では、10回目の開催を記念した副賞として、COLLO-FULL を用いたハガキサイズ(1画像/100枚)のコロタイププリントの制作の権利が送られます。
*1 COLLO-FULL: コロタイプオーダーサイト >> https://collo-full.com
翌年春、受賞者の作品を掲載した公式カタログを出版します。カタログは全ページコロタイプで刷られ、京都の表具師によって和綴の冊子に仕上げられます。
一次審査
全ての審査員によって一次審査が行われます。審査員は、それぞれの応募作品に対し五段階評価で点数をつけ、一次選考を通過した作品は二次審査に進みます。全ての審査はオンライン上で行われ、それぞれの審査員が個別に実施します。
最終審査
全ての審査員によって最終審査が行われ、ファイナリスト及び最優秀賞受賞者が選出されます。一次審査を通過した応募者の作品に対し、審査員は改めて五段階評価で点数をつけます。四人の審査員の評価点を累積し、最高得点を獲得した応募作品が最優秀賞に選ばれます。全ての審査はオンライン上で行われ、それぞれの審査員が個別に実施します。
便利堂は1887年に創業し、写真古典技法コロタイプを長きに渡り継承してきました。今ではコロタイプを実践する工房は希少となりましたが、繊細な多色刷りコロタイプ技術を次世代に繋ぐべく活動を続けています。
コロタイプは、1855年にフランスの科学者アルフォンス・ポアテヴァンによって発明された古典印画技法の一つであり、写真製版印刷の方法として発展しました。当時の写真プリントは画像の保存性が低く、次第に退色したり変色してしまうという欠点がありました。それを補うために、顔料を用いるさまざまなプリント方法が考案され、その中で確立された技法の一つがコロタイプです。